ノスタルジック秋。
秋が全然来ない。
毎日、暑い暑い暑い。
一回、長袖を着れるくらいの涼しさを感じた後だとさらに暑い。
もう十五夜もお彼岸も過ぎたのに、カレンダーと気候のズレが旧暦並み。
毎年確実に夏に侵食されている。
去年なんて実質、秋2週間くらいしかなかったよ。
こんなに天気のことでイライラしてるのは、私の一番好きな季節が秋だからです。
秋、サイコー。
梨、柿、サイコー。
芋、栗、そうでもない。
秋は涼しいし、花粉症もないし、好きな人が多いと思います。
いろいろ秋のいいところはあると思いますが、私が秋が好きな理は、ひとつ。
ノスタルジー。
秋はノスタルジーな季節。
あの匂いを嗅ぐと心がつーんとする。
子供の頃住んでた家の玄関先に金木犀が植えてあって、涼しくなってくるとある朝急にふわっと匂うのよ。
金木犀ってすぐ散っちゃうから、母親に頼んて何本か切ってもらって、古新聞にくるんで学校に持っていった思い出。
抱えてる時、すごくいい匂い。
友達の家には銀木犀があって、でも見た目も香りも金木犀の方が華やかで、それも嬉しかった。
今でも金木犀の匂いを嗅ぐとその頃のことを思い出します。
香りの記憶ってすごい強いなあ。
働いてたころ、めちゃくちゃ怖かった(思い出すだけでも動悸がする)先輩がつけてた香水の匂いとか、普段は全く思い出せないんだけど、誰かがつけてたりすると、ゾワゾワがすごいもの。
早く廃盤にして欲しい。
あとは、秋の花といえばりんどうね。
紫と青の間ぐらいのきれいな花です。
りんどうといえば「男はつらいよ」第7作「奮闘編」。
(私、男はつらいよのファンで結婚式のプロフィール「好きな映画」に挙げたくらい。)
博の父親が寅さんに言います。
例えば日暮れ時、農家のあぜ道を一人で歩いていると考えてごらん。
庭先にりんどうの花がこぼれるばかりに咲き乱れている農家の茶の間。
灯があかあかとついて、父親と母親がいて、子供達がいて賑やかに夕飯を食べている。
これが、これが本当の人間の生活というものじゃないかね、君。
(すいません、これはさすがに調べました。)
名言すぎる。
日が暮れてから道を歩いてると、明かりがついた人の家の台所に置いてある洗剤とか鍋とかが窓越しに見える時の感じと一緒。
そこにきちんと暮らしてる人がいるホッとする感じと、自分の親も普通に真面目に家族を作ってくれてたんだなあって気持ちがめちゃくちゃノスタルジー。
エモい。ノスい。
男はつらいよはね、毎回マドンナに振られ続ける寅さんと心配するさくらのパターンなんだけど、全然飽きない。笑えて泣ける。もうリリーが出てきただけで泣ける。
山田洋次監督は人間の生活をおたまですくわせたら右に出るものなし。
いつの間にか秋より男はつらいよの話になりそう。
それでもけっこう毛だらけ猫灰だらけ。お尻のまわりはクソだらけ。
早く秋来て〜。